雇ってくれるの?くれないの?インターン中セルギーの悩み

2015年2月2日



先週木曜日と金曜日にかけて、通っている学校でフィンランド語の修了テストがあった。

学校自体はまだあと3週間ほどあるのだけれど、先生がテストの評価をしたり、その成績などによって進路指導相談などをすのに時間が必要なので、学校が終了する直前ではなくちょっと前にやるのだそう。

ここしばらく何週間かのあいだなんだかんだとテスト続きで、私はけっこう干上がっていたんだけれど、今回はちょっとテストの日がたのしみだった。

なぜかというと、しばらく教室から姿を消していた友達のウクライナ人、セルギーから

「テスト受けに学校行くから、そんとき色々しゃべろう!」

と事前に連絡があったからだった。


あ、ちなみに今日登場するセルギーっていうのは、以前、フィンランドはホントに落とした財布もどってくるんだと感激した話や、女性の日のプレゼント選びで悩んでた話で登場したのと同じセルギーです。




セルギーが学校にくるのは11月の半ば以来、はじめて。

11月の半ばから学校に来ずにセルギーは何をしてたのかというと、ずーっとインターンをしていたのだ。
本来なら私らのインターンシップは11月半ばから1か月半だったのだけれど、セルギーはインターン先の皆さんに気にいられて、インターン延長になっていたのだった。

インターン延長が決まったころ、ちょうどセルギーはオウル市内で引っ越しをしたので、私は荷物運びの手伝いに行った。手伝いに来たのはセルギーの友達のウクライナ人の一家と、私ら学校の友達数名とうちのダンナ。

その日はみぞれまじりの雨だった。

荷物の搬入がなんとか終わって、私らは黒のマジックで『冬モノの服』『アルバム』『コード類』とかウクライナ語と英語ではしり書きしてある大量の段ボール箱にかこまれながら、セルギーの奥さんのマリナが出してくれたビールをひるまっから飲んでいた。

居間の天井につけるランプが引っ越し荷物のマントルに埋まって発掘見込みがなかったので、うちらはヒラヒラのシェードのついたベッドサイドランプを囲んで床に車座になってわいわいしゃべっていたんだけれど、

みんなのビールが2本目くらいになったころ、

「実は、インターンの延長が決まったの」

と、スウェットシャツ上下に首タオルの引っ越しファッションのセルギーが話しだした。
延長期間は、学校に所属している期間いっぱい。
私らが学校の修了証書もらう日までセルギーはインターンをすることになったのだという。

早い話、うちらはもう学校では二度と会えないということだ。

「ボスに気にいられて延長になったってのはよろこばしいニュースに違いなんだけど、ちょっとさみしいね。」

私がそうコメントすると、

「うん。でも、そういう話はまだ出てないけど、もしかしたらインターン期間終了後に、社員に格上げしてもらえるかもしれないから、それに期待して一生懸命やるよ」

とセルギー。

一夜漬け引っ越し荷造りのせいで疲れたすきっぱらにビールが効いたのか、ほっぺが赤い。ぺこちゃんのような顔をしたまま、セルギーは続けた。

「ま、ホントに社員にしてもらえるかなんて、わかんないけどね。ま、ようす見てみる。」

そう言いつつも彼の口もとはけっこううれしそうに緩んでいたので、私はうれしかった。
うちのクラスは、インターンがきっかけで就職がきまったヒトがこの時点ですでに3人おり、セルギーもその仲間入りをするのだろうなと私は思った。





帰りの車の中、引っ越し手伝いのお礼にもらった箱入り高級チョコをボリボリ食べながら、私とダンナはセルギーの健闘とグッドラックを祈ったのだった。




学校の修了試験の日。
セルギーはいつもの通り、学校開始8時の5分前にやってきた。

しばらくずっと姿を見せていなかったので、クラスメイトのみんなに

「えー!どうしたのー!いままでどこ行ってたのー!?」

と囲まれる。

「インターン先にそのまま就職したのかと思った」

と言う人らに、そうではないのだと説明するセルギー。

その眉間にちょっと影がある。
テスト前にそこらへんのところを問いただすのはなんとなく気が引けた&悪い予感がしたので、テスト前には色々聞かず、終わってから、セルギーに最近どうよ?と聞いてみた。


話を聞くと、やっぱりあんまりいい話ではなかった。

セルギーのインターン先はガス販売店なのだけれど、近年は売上が不調なそうだ。
売上不調なために、新規にヒトをやということもせず、既存のスタッフでなんとか回しているという状態で、だからセルゲイがインターンに来た時、現場のスタッフは助かったとけっこう小躍りしたらしい。

直属の上司や同僚は、セルギーがいてくれるととても助かる、もっといてほしいと言うのだそう。
だけれど、会社の社長はあたらに人を雇う気はなく、ときどきセルギーの直属上司がさぐりをいれてみても、ほとんど取り合ってもらえないらしい。


「もうあと数週間で約束していた期間は終わりなんだけど、雇ってくれる話はぜんぜんないの。」

「いつまで待てば、いいんだろ。。」

学校にいたら社会の授業で税金とか年金とかの仕組みとか就職活動のイロハまで教えてもらえる。そこの会社でタダ働きしてる間にこういう大事なことを学ぶ機会を失っていることについても、けっこう焦りがあるようだった。

フィンランド語だって学校の先生について勉強するほうがよっぽど身につく気がすると言っていた。

ようするに、雇ってもらえる見込みもないのにいつまでもそこでタダ働きしつづけるより、学校に戻ってきたほうがいいような気がして、セルギーは悩んでいるのだった。





セルギーの話をひととおり聞き終わった後、

「やっぱり、仕事なんてそうそうもらえるもんじゃないんだ」

とクラスメイトみんな、うなだれたのだった。




セルギーは結局、本人の希望もあって、あさってから学校に『当面の間』もどってくることになった。

そして明日は、担任でセルギーの進路相談訳のマルヨが、上司の人に事情を聴きに行ってくれるらしい。早い話、遠回しに「アンタ、雇う気あんの?ないの?」とさぐりを入れに行ってくるのだそうだ。

グッドラック マルヨ!


それにしても、私がでっかい会社の社長さんだったら、セルギーみたいに勤勉でちゃきちゃき仕事やるひとはまずまっさきに雇うのに!課長さんでも部長さんにでもして、ボーナスもばばんとあげちゃるのだが!と、もどかしいことこの上ない。

社長どころかタダの無職の人である今の私には、セルギーにしてあげられることは学校のノートを貸してあげられるくらいしかないのだけど、せめて祈ろうセルギーのグッドラック!

グッドラック セルギー!!

いい運がセルギーのとこにまわってきますように!





今日はここらへんで、おしまいです。
それでは、また!


にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ

ここしばらくまめに更新してるな、この調子でがんばれと思っていただけたら
応援クリックしていただけるとうれしいです。


コメントを投稿

Latest Instagrams

© Kato@Oulu. Design by FCD.