雪と氷のお城ルミリンナ2015で、グラスの水も凍る氷レストラン体験

2015年2月15日


先日2月8日のNHK地球アゴラ『真冬のたのしみ In the world』、見てくださった皆様、どうもありがとうございました。

ロシアの寒中水泳や韓国の極寒グルメのレポートにまじり、フィンランドからはケミ市に冬の3か月間だけ出現する雪と氷のお城ルミリンナ(Lumilinna)を、在住者として私が現地ロケTVTRと自宅からのスカイプ生中継とをおりまぜながらご紹介させていただきました。

「ルミリンナ、行ってみたくなりました」、「生中継のときに、カトさんちの猫、めっちゃ歩きまわってましたけど」、「カトさん、ブログの文章から想像してたのとちょっと違った」などなど、感想メッセージくださったみなさま、ありがとうございました。






ルミリンナについては、ほんと、去年にひきつづき今年もとてもスバらしかったので、テレビで紹介しきれなかったとこについても、あらためてここでレポートしたいと思います。




今年私らがルミリンナに行ったのは、開催初日である1月24日と、25日。

今年のオープニングイベントの目玉は日本でも人気があるらしい(フィンランド人がそう言っていた)フィンランドを代表する地元ケミ市出身バンド、ソナタ・アークティカ(Sonata Arctica)の演奏。



湿った雪がよこなぐりにじゃんじゃん降る中、かまくら風特設ステージにて歌いまくるソナタの皆様!

そして、ルミリンナの正面入り口に面した広場を埋めるのは、家族連れなど地元のみなさまら、ルミリンナ愛好家のみなさま、ソナタファンのみなさま、お祭り好きなみなさま、外国からの観光客のみなさまなどなど。。

ちょっとした吹雪の中、全身スキーウェア的な防寒着にぐるぐる巻きになり、帽子も髪もヒゲも雪まみれ、鼻水をかみながらもこぶしをふりあげてヘビメタな音楽にのりまくる、老若男女数百人の人々。。

そんでもって頭の上には雪にまじってすごい勢いで花火の火花じゃんじゃんふってくるし、
花火のケムリと降りしきる雪であたり真っ白だし、

すごいな、過激だな!

雪と氷のお城のオープニングイベントったら、やっぱこれくらい過激に、これくらいのじゃんじゃん吹雪の中、観客全員雪まみれになって行われるものなのね、と感心する。




演奏が終わって拍手するときも、観客全員スキー手袋風の分厚い手袋してるもんだから、「ぱちぱちぱち」じゃなく、

ボコボコボコボコボコボコォ

って、ちょっとした地響き的なことになってるし、そこにどっかのメタルファンのお兄さんの叫び声みたいのとかまじってるし、おもわず、真冬のヴァイキングの宴ってこんな感じだったのかなと思いをはせる。


例年は音楽より花火に重きをおいてオープニングイベントは行われているそうで、今年は20周年だからなのかイレギュラーなプログラムになっているらしかったのだけれど、毎年こういうのでもおもしろいかもね。。




翌日、明るくなってからルミリンナに出直し。



それにしても、壁がでかい。
そして延々続いている。

正面や内側から見るとそうも思わないんだけれど、周りを歩いてみると、けっこうな広さの建物なんだなあと思う。




バックヤードをうろうろしていたら、重機を多数発見。
北欧だけに、ショベルカーやトラックがボルボ(VOLVO)ってのはよくある。
日本だとあんまり見ないけどね。。

お城の城壁内にはいってみたら、今年も展望台があるようだったので、ついてきたダンナがさっそくのぼって行った。





展望台の上からは、ルミリンナの屋根にあたるところや、城壁の外のようすが見える。

ルミリンナの屋根は、そのへんの雪山とかわらない状態になっていた。
ディズニー映画にでてくるシンデレラ城みたいなあれこれデコった屋根にしても、どうせ雪ふったら埋もれて見えなくなっちゃうのだから、これでいいのだ、きっと。

なんせ、ルミリンナの開催期間は3か月。

3か月間の間には、雪もたくさんふるだろうしねえ。。もしかして雨とかもふっちゃうかもしれないし、影になってるとこと日に当たるとこでは形も変形しちゃうかもしれないしねえ。。カラスのフンもかぶっちゃうかもしれないしねえ。。

もし私が現場監督だったら、20年もやってれば「どこに力を入れたほうが、かしこい」っていうノウハウもたまってくるんだと思うんだけど、そのノウハウを集結したら外より中に凝ったほうがいいって結論に至る気がする。





建物入り口から中に入ると。。


最初のゾーンは『フィンランドで有名なもの』コーナー。
ルミリンナのテーマは毎年変わるのだけど、今年のテーマは『フィンランド』だそう。




ハノイ・ロックスのマイケル・モンローさん↑
フィンランドでいちばん(?)有名なロック・ミュージシャンでございます。。

私は彼がフィンランド人だとずっと知らなくて、フィンランドに引っ越してきてテレビで彼がフィンランド語でしゃべっているのを見たときはけっこうびっくりしたものだった。

それにしてもフィンランド人ならフィンランドらしくさ、「ミカエル・モンロエ」とでも名乗ればいいのに。。(あ、ちなみに彼の本名はMatti Fagerholm (マッティ・ファーゲルホルム)だそうです。)



大御所ミュージシャンのといめんには、大御所キャラ、ムーミン↓





壁に彫られた雪の彫刻なんだけど、すんごい3Dかげん。

おもわず私も手をにぎりかえしたくなるわ。。




アングリー・バード↑や、F1レース↓も有名でございますね。。




おもしろかったのは、トラクター↓




フィンランドでは農業ってのは昔からほんと身近なもので、農業の象徴であるトラクターをフィンランドのみなさんは「とてもフィンランド的なもの」ととらえているのだそうだ。

農業&トラクターがどのくらい身近なものかっていう例として、何人ものフィンランド人に言われたのが、

「フィンランドでは15歳からトラクターを運転できる」

自動車の運転は18歳からだけれど、家の手伝いなどで必要な場合があるためとかいう理由でトラクターは15歳から運転免許をとれるのだそうだ。

そんなわけで、最近はどうかわからないけれど、一部の田舎の町では中学生が学校にトラクターで乗り付けたりもするそう。学校の駐車場にトラクターがずらっと並んだりしているのを見たことがあるとダンナ父は鼻息荒く語っていた。

普通の車を運転できるオトナになっても、「トラクターかっこいい」というのがフィンランド男子の脳ミソには刷り込まれているのだと、このトラクター氷像をガイドしてくれたルミリンナ・スタッフのティーッタさんも言っていた。

刷り込まれているいい例がうちのダンナ一族の男子なんだけれど、ダンナとダンナ父と兄の渾身の提案により、私とダンナが結婚したときの披露宴会場への入場は、ロールスロイスでも馬車でもなく、トラクターだったという。。↓






話はもどってルミリンナ。

建物のちょうど中心あたりに、カフェ&バーが今年も営業中。




ここではコーヒー、紅茶、ココア、フィンランド式ホットワイン『グロギ』などのほか、アルコールも各種おいてあった。飲み物は他に、氷でできたマグカップにいれた甘いウォッカも注文できるそう。
ほかに、ケーキや菓子パンなんかも置いてあった。

カウンターは氷でできているんだけれど、木目のような彫刻がされていて、とうめいな木でできたカウンターのよう↓




カウンターの前には毛皮をしいたカウチがおかれ、壁にはショットガンとショットガンの弾。。

国民一人あたりの銃所持数はフィンランドはアメリカより多いとかいうのもどこかで聞いたけれど、ハンティングはフィンランドでは特に男子の間では、ごくごくふつうの趣味。

ヘルシンキなんかの都会ではどうかわからないけれど、私の周りではハンティングしない人のほうが少ない。日本でいう釣りくらいの感覚なのかなと思う。

そんなわけで、ソファのといめんの暖炉(あったかくはない)の上には、ハンターのあこがれ、ムースが鎮座。





それにしても、壁の木材っぷりがすごい。
雪でできてるのに、ほんとの木のようだな。。





雪と氷のレストラン的、大きな広間が今年も2つあった。





最初にはいったこちらの部屋のテーマは「フィンランドの生業(なりわい)」ということだった。

フィンランドではフィンランドでも、とくにこのルミリンナがある地域の話がメインになっているのだけど、むかしから現在まで、ここで人々がどんなふうに生計をたててきたのかを、彫刻で表現されている。

川と海と森と、ヒト。

漁業と林業と、最近はパルプ産業。


お兄さん、昔ながらの方法で、スモークサーモン(フィンランドの人の言うスモークサーモンは半生ではなく、しっかり火がとおってる)を作成中↓





こちらのお兄さんは、丸太と格闘中。





ひとつめのレストランを通り抜けると、こんどは雪と氷でできたホテル・ゾーンに。

ホテルゾーンも2か所に分かれていて、こちらのほうには壁にサウナにまつわる彫刻がしてあった。





雪の女王もとける熱々サウナを、熱さのひとかけらもない雪の中でどう表現するのかとおもいきや、みなさん考えたわね、「熱々カップルのホカホカシーンで再現」とは。。。

こちらの↓ひとら、奥さんとダンナさんかと思われるけど、ダンナさん文字通り奥さんの尻にしかれ、悶絶中。。






熱々カップルの赤裸々シーンの反対側では、フィンランドを代表する生き物たちがクールにスタンバイ↑

ホテルゾーンのうち小さめの部屋がつづくところは、壁に彫刻などはなくシンプルで、のっぺり白いはんぺんのようだった↓






ふつうのシンプルなスタンダードのお部屋の2倍か3倍ちかくの広さのあるスーペリアダブルルーム。

美女系天使のほほえみのお部屋↓



モチーフが天使だと、雪なのにまるで大理石の壁のように見えてくるから不思議だ。


次のお部屋のモチーフは、ヘルシンキ中央駅の正面いりぐちにたたずむランプ持ちメンズの像(参考写真はWikiからお借りしました)↓



比べてみると、ルミリンナのメンズのほうが、青年風だな↓

オリジナルが体育会系骨太系なマッチョなペアなのに対し、ルミリンナの雪ペアのほうは目元がどことなくメランコリック。

たとえて言うなら、フェンスの向こうのあこがれのソフトテニス部美女キャプテンをこっそり見つめる、さえない美術部1年ボーイ。。





ソフトテニス部美女キャプテンじゃなくても、泊まった人はもれなく見つめちゃいますけどね。。


さえない美術部ボーイ像、もとい、ヘルシンキ中央駅像のほか、サンタクロースがテーマのスーペリアダブルもあった↓





ホテルのほか、チャペルも。

私らがここをじっくり見ていたのは日曜日だったので、礼拝のようすを見ることができた。
けっこう広めなこのスペースも、地元の信者さんでぎゅうぎゅう。
後ろのほうはすべて立ち見状態なんだけれど、ヒトの熱気で壁がとけそう。

それにしてもこのチャペル、単なるカップル向け記念撮影スポットでも、結婚式場のおまけのセレモニースペースでもなく、ちゃんと地元の人に使われているのって、なんかいいわね。。

聞いたところ、毎年このルミリンナのチャペルでは、20組から25組が結婚式を挙げているそう。
外国からのカップルも多いと聞いたけれど、日本人がハワイのビーチで結婚式挙げたがるようなものかしら。。




それにしても、部屋と部屋との間の壁が厚い。




ルミリンナは、日本のカマクラのように雪100%でできており、壁や天井の中に柱や芯など補強材は一切はいっていないのだそう。
そのぶん、壁や天井を厚くつくってあるんだろうけど、すごいなこりゃ。。

今回テレビの取材班にまぎれこませていただいたおかげで、ルミリンナを設計している方とおしゃべりするチャンスがあったのだけれど、その設計者の方も、

「一番よく聞かれる質問は、本当に補強材は使ってないんですかってやつですねー」

と言っていた。
ちなみに2番目によく聞かれる質問は「雪、解けないんですか」だそう。

質問というか、心配ごとだな、そりゃ。。





つづいて、2つめのレストランスペースへ。
1つめのレストランスペースの彫刻のテーマが『フィンランドの生業(なりわい)』だったのに対し、こちらのテーマはフィンランドの民族叙事詩といわれる『カレワラ』。

カレワラって何?という質問は私には壮大すぎるので、ちょっとここではごかんべんいただきたいのだけれど、ほんとに簡単に言うと、フィンランドに昔から伝わってきた古代の神様たちのアレコレのエピソードを詩にしてまとめたもの。

私は入門者向けに日本語訳されたのを1冊読んだだけの知識なのだけど、どうやって世界が生まれたかにはじまり、恋したり失恋したり、死んだり生き返ったり、盗んだり盗まれたり、ケンカしたりウソついたり、魔法かけたり呪いかけたり、ともかく神様らをメインに人間的なドロドロに魔法をかけあわせた、不思議なお話なのだ。


で、このレストランスペースの壁を埋め尽くしているのは、このカレワラの物語の有名なシーン。








そして正面の壁にはカレワラのメインキャラクターである、生まれたときから老人だったマッチョな魔法使いワイナミョイネンの巨大な像↑ 

そのといめんには、カレワラいちのイケメン女たらしキャラ、端麗なるレンミンカイネンと思われる青年像が美女のゆくえに目を光らせていた(憶測)↓





こんなふうにカレワラの面々にじっと見守られながらご飯を食べられる、このレストランスペース。

去年もしつこく書いたけど、ここの氷のテーブルがすんごい重厚。
厚さ30センチくらいある。
ルミリンナは海に面してたっているのだけれど、そこの海から切り出した氷なのだそう。





空気が水面に上がりきる前にこおってしまったんだろうか。あわが入ってる。
氷のテーブルというか、海を四角く切り出したテーブルなのね、これは。。




ルミリンナ内のレストランでの食事は、完全事前予約制。

ぜんぶで200席あるらしいのだけれど、席を確保するためというよりは、料理の準備の都合のために予約制のようだった。

メニューはぜんぶコースというかセットになっていて、どのセットを食べたいかを予約するそう。
ランチもディナーもメニューは共通で、43ユーロから50ユーロの5パターンくらいあるメニューから選ぶようになっている。(詳しいメニューはルミリンナのSnow Restrauntサイトへ→英語





今回私は既存のセットメニューではなく、撮影用にリクエストされた組み合わせを食べさせてもらった。で、料理が来る前にまず、食前酒的なコケモモ味ウォッカが氷のグラスに入って出てきたのだけど、






ちょっとコレ、すんごい冷たいんですけど!!

私の氷の温度体感予想を大幅にうわまわる冷たさ。

そしてなにより、

すきっぱらにウォッカがしみるわ!!

お昼ご飯の30分以外、朝からずーっと氷点下の中オヤツも休憩もなしでやってきたのよワタシらは!!(この時点で夜の9時半)

それまでずっと立ちっぱなしだったとこに、急にすわってお酒なんかだされたら、

この後まだ何時間も撮影のこってるのに、よっぱらってまうわ、私は!!

ハアハア。。




出てきたご飯はどれもおいしく、トナカイやなにやら色々ごちそうになったのだけれど、撮影しながらの食事だったので、バタバタして結局どれも味見する程度しか食べられず、

で、物撮りなどの待ち時間に何してたかっていうと、

結局さきほど出された氷のグラスのお酒やら、ワインやらをひとりちびちび飲んでは、真っ赤な顔をしてたという。。


ついてきたダンナは、なりゆきとしてカメラマンさんの一日アシスタントとしてモノ運び係等々活躍していたのだけれど、だんだん寒くなってきたのか、私が赤い顔してがんばってる後ろでこっそり貸し出し用毛布にくるまっていらっしゃった。。




さてはお腹がすきすぎて体温さがったのかしらん?!と思ったけど、単にほんとに寒かっただけのようで、気が付けば私の目の前のグラスの水も凍っていたのだった。

さすが、雪と氷のレストラン。。。



長くなってしまったので、きょうはここでおしまいにします。

次回は「雪と氷のお城ルミリンナで、オーロラ観測用ガラス張りソリ・オロコロでお泊り編」です。


それでは、また!




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おまけ>去年の様子はこちらからどうぞ(過去記事)

おまけ2>ルミリンナの中のようすやスノーホテルのお泊りのようすはこちら↓のビデオをどうぞ!


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