一番役にたったコトバと、エルハムからのしらせ

2014年8月8日



2週間の夏休みが終わり、学校にいった。

夏休みの直前に1か月のインターンシップがあったので、学校の教室にいくのは1か月半ぶり。
みんなどんな顔して集まってくるのか。
つもりつもった話、どこから話そうか。

教室にならんだいつもの顔、顔、顔。。
すごく日焼けして別人化したヒトもいれば、ぜんぜん変わらないヒトもいる。


「きょうは、インターンの時の話をしましょう」

と、われらが担任の先生、マルヨ。
マルヨは猛烈に日焼けして、おでこの先からつま先まで、全身トースト色だ。

教室のはしっこに座っていたヒトから順番に、まずそれぞれがインターンに行った場所と、そこで主にどんな仕事をしたのかを話すところからはじまったのだけれど、

すごいフィンランド語のわすれっぷりだな、みんな!!!!



最後に会ったとき、ようするにインターンと夏休みの前はけっこうスラスラしゃべってた人たちまで、今はけっこうクチごもっちゃっている。

ソマリア人のアブディファタなんて、休み時間に英語やフランス語でしゃべってる人びと見つけては

「学校ではフィンランド語でしゃべんなきゃ、ダメだってば!」

とかくちばしって優等生めとか言われてるクチの人だったのに、なんてこった、いまじゃ彼のフィン語は学校はじまったころに逆戻りだ。しゃべっていても「あー」とか「うー」連発で、文章が続かない。

他の人も同様で、すぐ英語やらフランス語やらアラビア語を混ぜてくる。

休み時間だけでなく、授業中にもそういう事態になっていたため、ふだんはあんまりこういう小言をいわないマルヨもさすがに怒って「フィンランド語以外禁止」を連呼していた。



パラパラまわりの人に聞いただけなので全員がどうかはわからないけれど、おそらく、みんな夏休みだけでなくインターン中もフィンランド語をあんまり使っていなかったんだろう。


外国語は使わないと、忘れる。

夏休みが二週間しかないのも、きっと、これ以上長いと完璧にフィンランド語忘れてしまうからなんだろうな。。。



自分がどこで何をしたかを話した後、インターン中に学んだ新しい言葉やフレーズで、一番自分にとって役に立ったものを発表することになった。

みんながインターン先であれこれ苦労しながらも頑張っている姿が目に浮かぶようで、ワタシとしては聞いていてとても感慨深かった(って、誰だ私は、お母さんか!)ので、ここに一部ご紹介。




『商品』 
 ―エイドリアン(野球大好きメキシコ系アメリカ人。広告代理店でインターン。ひたすら英語・フィンランド語の翻訳作業をしたらしい)


『おもちかえりですか?』 
 ―マイケル(カラオケ大好き芸人系フィリピン人コック。レストランでインターン。ホントはコックをやりたかったけど国家免許がないのでできず、かわりに皿洗いとレジでの会計と注文とりをやったそう)


『検査』 
 ―サマン(お嬢様系パキスタン人。生化学の大学院新卒。というわけで人生初の職場体験。病院でインターン。生化学の修士号もってるのに病院の検査結果送付作業しかやらせてもらえず、ちょっと不満だったそう)


『列・行』 
 ―ヤッフイ(箱入りお嬢様系中国人。IT関連技術の大学院新卒。初めての職場体験。アプリ開発企業でインターン。お客様アンケートの集計などをやったらしい。車内公用語が英語の会社だったのでフィンランド語はエクセル君のコマンドくらいしか目にしなかったらしい)


『未開の地』
 ―チーユィ(セクシー姉さん系中国人。元ホテル業界勤務。旅行代理店の広告部門でインターン。ホテルや観光地への問い合わせやらお客さんにDMを送付する作業やらをやったそう)


『息、とめてください!』
 ―ルチャーノ(レディーファースト行動が新鮮なイタリア人レントゲン技師。病院でインターン。レントゲン室で活躍したそう。よかった。)


『僕のせいじゃないもん!』
 ―サリフ(フラ語スペイン語アフリカのなんとか語とアラビア語と英語を駆使する双子の父21歳セネガル人ボーイ。保育園でインターン。怪獣クラスの子供らを着替えさせたり遊んであげたりご飯食べさせたりなどしたそう。男の先生は子供らに大人気だったらしく、次のインターンもまた保育園に行きたいと言っていた)


『そこ!汚すな!』
 ―レビン(モヒカン刈りにちょっと暗い目だが根はきさくなイラク人ボーイ。建築現場でインターン。壁のペンキ塗りなどの仕事がけっこう多かったそう。壁に塗り始める前に床に新聞紙を敷けと親方に言われたそうなのだけど、毎回忘れて怒られたらしい。)




それぞれの分野で、それぞれ一生懸命にやっていたのね。。
そういう思いでお互いの話を聞く、クラスの面々。


ほんと、お疲れ様でした。。




私が一番なかよくしていたイラン人のエルハムが、この日教室にいなかった。
具合でも悪くて学校休んだのかしらと思って家に帰ってから電話してみた。


「実は今日、初出勤の日だったの」

と、エルハム。

えええ?!
仕事、見つかったの????!

話を聞いたら、インターン先の上司というか社長に気にいられて、そこでそのまま社員として働かせてもらえることになったとのこと。


エルハムは、テーラー(洋服の仕立て屋)だ。
イランに住んでいたころには、自分の会社というかスタジオをもっていたそうで、そこでいろんな洋服を仕立てていたそう。だから、インターン先は、オウル市内のテーラーを選んだ。

エルハムの一家がフィンランドに来たのは去年の秋。
その前は6年間、マレーシアに住んでいた。

一家がイランを出ることにした理由は、実業家だったダンナさんが国やら商敵やらに目をつけられて、このままだと殺されてしまうと思ったからだそう。
一家が外国へ出国するためには、どこかの国の長期滞在ビザが必要だった。
亡命という名目でビザを申請するのは危険すぎ、しかも時間がかかりすぎるとおもったエルハムのダンナは、大学院に行くという名目で留学生向けの長期滞在ビザをとって外国に行くという方法を思いついた。

そういうわけで、まずマレーシアの大学院に行った。家族もついていった。
そこでの勉学は順調で、学位も無事とれた。
しかし、卒業したからといって、イランに帰るわけにはいかない。そもそも、イランから離れることが目的なのだから、早く次の行き先、大学院に行かなくてはならない。

次の行き先として一家が選んだのは、フィンランドのオウルだった。

エルハムの一家は、ダンナさんに支給される奨学金(フィンランドでは大学院のうち博士課程の学生は、政府や企業からなどの奨学金のような手当をもらっている人が多い)と、貯金で暮らしている。でも、今年から大学生になる息子さんと、来年は高校生の娘さんがいたら、いくら学費がタダな国フィンランドであっても、それなりに出費はかさむ。貯金切り崩し生活も7年目はツライ。

だから、エルハムは誰よりも働きたがっていた。

仕事がほしい。
はたらきたい。
家にお金を入れたい。

他にも、イラン発行の結婚証明書がフィンランドでは受け入れられずに発生している諸問題の一部も、仕事を得ればもしかしたら解決するかもしれないという期待もあった。


「うちのボスはすぐどなるから、ちょっとコワいんだけどね」

とは言っていたけれど、エルハムの声はすごくうれしそうだった。




やっと学校に戻ってきたと思ったら、
さっそく今日また、

「次のインターンは、10月半ばから1か月半です。みんなもう探し始めなきゃだめだよ」

と、担任刈り上げ先生のマルヨ。

次のインターンでは、どんな展開が待っているんだろうか。
『こわごわ』や『ハラハラ』の合間に、『よかったね』もたくさん混じっているといいなと思う。



今日はとりあえずここまで。

それでは、また!


にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ

ブログランキングに参加しています。楽しんで読んでいただけたら、クリックしていただけるとうれしいです↑



コメントを投稿

Latest Instagrams

© Kato@Oulu. Design by FCD.