ナチュラリスト男子・ペトリのフィンランド語がわからない話&バードウォッチングタワー紹介

2014年7月17日



インターン中、ペトリと自然センターの裏にあるバードウォッチング用のタワーに何度も鳥を見に行った。

ペトリ(30代男子)は、私のインターン先の同僚だ。
鳥だけでなく、虫や植物、生き物全般について、もんのすごく詳しい。

そんなわけで、リミンカ湾自然センターにつとめはじめて1年半弱らしいが、一般リピーターさんだけでなく自然ガイドさん、プロの自然写真家のみなさんからの信頼は絶大で、このあたりでは「わからないことがあれば、ペトリに聞け!」というシステムになっている。

他のひとに聞いたら、ペトリはリミンカ湾自然センターに勤め始める前は、オウル大学で生物の講師をやってたそうだ。

しかも、リミンカ育ちの地元っ子。
このへんぜんぶ、じぶんちの裏庭みたいなもんにちがいない。






リミンカ湾自然センターから歩いて5分くらいのところにタワーはある。

遠目に見ると塗装の日焼けがめだってボロ風に見えるが、実は本体は2012年に改修されているので、近くで見るとけっこうイケている。



まず、外壁がウッディーで、くろい。
こじゃれた居酒屋のようである。



とびらも、板をうろこ状にかさねた感じが重厚感をかもして、イケている。



そして内部。湾に面した正面と側面には大きなアクリル窓。

窓はそれぞれ開けられる。
車のシートベルトのようなヒモをひっぱると、窓が下から上に向かってスライドして開く。
あまり他では見ない窓のシステムなのでうまく説明できないのだけれど、基本的なしくみはギロチン式。窓ガラスが上から下に落ちてくるので、このくらい開けておきたいというところでヒモで窓がこれ以上おちてこないように固定する仕組みだ。

ガラスではなくてアクリルなので表面の傷がちょっと目立つのだけれど、らんぼうに開け閉めしても割れにくいし、鳥がぶつかってもこっちのほうがちょっとは衝撃が少ないからいいののかもしれない。



引き戸式の小窓。
こそこそ隠れながら鳥を見られるようになっている。

コソコソなんて性に合わない!という人にも、風の強い日は最小限だけあけられて大変便利であるるという点はご理解いただけると思う。



こちらはドア式の小窓。
ちまちま開けたりなんぞめんどくさいわ!という人にはこちらがおススメだ。

トンネルを抜けると雪国だった

もとい、

窓をあけるとリミンカ湾だった


という、『暗→明』なドラマチックで視覚的に鮮やかな展開を期待できるので、文学好きな方にもおすすめだ。




タワーの屋上というか屋根は全面デッキになっている。
リミンカ湾を一望できるこの屋上デッキ、20畳くらいあってかなりひろびろ。

その20畳のかたすみは、巨大な望遠レンズや超高級カメラをたずさえた鳥愛好家なのか写真愛好家なのかよくわからないがとにかくここを愛好していると思われるオジサンたちによって、たいてい占拠されている。

オジサンたちは、時間がゆるすかぎりそこでシャッターチャンスを待っているらしい。
でも、シャッターチャンスはそうそうめぐってこない。
だから、ヒマだ。

いや、釣りとおんなじで待ってる間に自然の中でぼんやりしているのがいい、というおじさんもいるのかもしれないけれど、ヒマをもてあまして情報交換という名のオシャベリに花をさかせているオジサンも多い。


何をそんなに楽しそうにしゃべってるのかとおもって耳をそばだててみると、

「今日はあのへんで何を見た」

「ダレダレさんが先週どこどこで何んとかを写真におさめた」

「お!それ新しいカメラ?どう使い勝手は?」

「新しいレンズをヨメの事前承諾なしで買ってしまったので、ただいま家庭内紛争中である」
などなど。。 



『北欧のバードウォッチャー』なんだから、もっと気の利いたオシャレな雑談してくれ!とか思うけれど、現実は現実なんだからしょうがない。カーキ色のジャケットに身をつつんだショーンコネリー風銀髪&銀ひげの紳士には、オジロワシの滑空についてシベリウスの音楽なんかにたとえて語りだしてほしかったが、彼はもっぱら双眼鏡を持つ腕の筋肉痛について嘆いておられた。


で、このヒマなオジサンたち、ペトリが大好きだ。


ペトリに色々質問できるからだ。

オジサンたちの質問は、多岐におよぶ。
どの鳥はどの時期にどのあたりに行けば見られるとかいうバードウォッチング情報から、「鳥がこんなことしてるの見たんだけどあれは何?」とかいう鳥の生態について、鳥以外の植物、自然現象、などなどなど。。。


で、こういうのも大事な仕事なのでペトリはいつも丁寧かつ華麗に返答しているわけなのだけれど、ペトリが何を言っているのか、私はさっぱりわからないのだ。


オジサンたちが何を質問しているかはわかるだが、ペトリの返答がさっぱりわからない。

場合によってはほんっとに、ひとっこともわからない。

返答の内容が理解できない以前に、彼のしゃべっているフィンランド語がさっぱりわからないのだ。


フィンランド語は、かなりのっぺりした抑揚のすくない言葉だと思う。
楽譜にたとえるなら、音符こそちがえどいくつもの小節が同じ音階でずっと続いたりする。
その点、ペトリは他の外国語、私の偏見でいわせてもらうと、スウェーデン語かドイツ語みたいに、へんに抑揚がついた話し方をする。
なので、あまり集中して聞いてないと、彼はフィンランド語じゃなくスウェーデン語をしゃべっているようにさえ思えてくる。

彼のボキャブラリーがあまりにも高尚すぎなため私が知らなさすぎて言葉を聞き取れない&ひとつの文章が長すぎるというのがどう考えても最大の原因なのだけれど、それにしても、


なんなんだ、この奇妙なしゃべりかたは!


マンツーマンでしゃべっているときも、
グループでしゃべっているときも、
早口でしゃべっているわけでもないのに、

何言っているのかわからない!!



私の周りには今までこんな話かたをする人がいなかったので、これはなにか特殊な方言かなにかなのかとおもって同僚のミラに相談すると、「そんなことはない」という。

なんなんだ!

ツバメさんよ、おしえてくれ!



ペトリに話しかけても返答がよくわからないというのは、「こんなヒトもいるのねえー」ぐらいで最初のうちは笑い話ですんでいた。けれど、日を追うにつれけっこうなストレスとなり、ペトリとふたりだけで勤務の日などは、あさからコーヒーのかわりにビールでもあおってから出かけたいくらいの緊張だった。


そして私はある日カンネンして、ペトリに言った。


「ペトリ、わたしフィンランド語にがてなので、もっと短い文章でしゃべってもらえると助かるんだけど。。」

本当なら『もっとわかりやすくしゃべってもらえる?』と言いたいところだったが、どういうのが私にとってわかりやすくて、逆にどういうのがわかりにくいのか、それそもそもがペトリにはわからないだろう。なので、どうしてほしいのか具体的にお願いすることにしたのだ。


で、
ペトリのほうは、即快諾。


しかし!

快諾であるということはわかったものの、返答は大変短い文章だったものの、またしても何と言ったのか言葉をはっきり聞き取れなかった。

ああ、、、

前途多難。。。


というわけで、結論を言うと、思い切って本人に相談してみたわりには大して問題は解決しなかった。

でも、私のほうは思い切ってペトリに悩みをうちあけたような気持ちになり、ペトリに親しみがわいてきた。わからないときは「ペトリのフィンランド語がへんでわからなかった」と開き直る作戦をとるという技も習得。

ずうずうしさ、炸裂。。


でも、まあ、ゆるしてください。
右も左もわからない、ただのガイジンなんで。。。




それにしても、いつか私のフィンランド語がもっとうまくなったら、なんで私はこんなにペトリのフィンランド語につまづいたのか、ぜひとも分析してみたい。


それでは、また!





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