フリマの売り子をしながらかんがえた フィン男子のDV問題

2014年5月27日




先週土曜日は、シーボウス・パイヴァだった。

シーボウス・パイヴァとは、日本語で直訳すると「お掃除の日」。

うちの場合は、ならびのご近所さんとの共同の物置や中庭なんかのスペースがあるので、そういうところをみんなで年に一度、一緒にかたづけたり掃除する。
くわえて、家庭内断捨離で排出されたモノが並ぶフリーマーケットが町のあちこちに出没するので、そちらの物色に行く。

先日のラビントラ・パイヴァ(レストラン・デイ)と同じように、出店はどこでも自由にできる。
街中の公園などに出してもいいし、自分の家の裏庭でやってもいいし、モノを運ぶのが面倒くさいヒトは自宅でやったってよい。

とりまとめの団体もあって、その団体のサイトでは「ここでやってます!」と登録した人たちのお店がどこにあるかなどを検索できる。

オウルでは町の中心部をメインに、今年は480ものブースがでていたもよう。





シーボウス・パイヴァの公式サイトはこちら → Siivouspäivä (英語版)

(ちなみに日本でも「クリーニング・デイ」として、フィンランドと同時開催されていたらしい。
そちらについて詳しくは→ クリーニングデイ・ジャパンのサイトへ




このフリーマーケット、去年は物色に行っただけだった。

しかし、

「今年は店をだしちゃおう!そして売っちゃおう、売れるものは!」

「そんでもって、アナタ、売り子としてカウントしてるんで、ヨロシコ!」

と、先週友達のヘイディから電話がかかってきた。

ヘイディはこのブログによく登場する近所に住んでいるワタシの高校時代からの友達で、最近の趣味は断捨離とトマトの栽培。ヘイディによると、子供の服やらオモチャやら、見飽きた映画のDVDだとかが山盛りあるので、それらをさばいてしまいたいらしい。

友達のマリも一緒に来るという。
マリは最近うちらの近所に引っ越してきたヘイディの大学時代からの友達で、7歳の女の子と4歳の男の子がいる。マリもかたづけてしまいたい子供服やら食器類が山盛りあるのだそう。

私は断捨離するほどモノがないので売り物はなにもないんだけれど、当日は天気もよさそうだし、ヘイディとマリとキッズたちと日光浴でもしながら客待ちして、くっちゃべったりして土曜日を過ごすのもいいかなと思い、ついて行くことにしたのだった。




われらがお店の出店先は、ヘイディの友達の家の前の道路。

メインの通りから枝分かれした、そこの住民だけが使うような細い道路だ。
みちばたに、ご近所さんたちがそれぞれモノをならべて売っている。




たいへんお天気よろしく、気温20度くらい。
シラカバ花粉とびまくりの快晴。
夏日だわ。。。

マリがすごいオシャレして登場したので、ヘイディと私がスルドくそこんとこ指摘すると、

「くくく。。。さいきんちょっと付き合ってるっぽい彼が様子みに来るかもしれないのでね。。オーディエンスにそなえて今日は準備万端。。」

と、マリ。
現在2人の関係はお友達以上恋人未満らしい。

彼からメールが来るたび、フガフガ系ハニカミ返信してるよ、マリ。 くくく。。

まるで女子高生じゃのうとか思いながらも、ヘイディと私はちょっとホッとしてもいた。
つい最近まで、マリは「誰かと付き合うなんて当分ムリ」と言っていたからだ。




マリは去年離婚した。
ダンナがものすごいDV(家庭内暴力)男だったからだ。

マリの前夫は、実は私とヘイディの高校の時からの共通の友達でもあった。
私はそんな親しくはなかったけれど、ヘイディとヘイディのダンナのトウモとは20年近く友達だった人で、ヘイデイたちが結婚するときはベストマン(付添人)をやったくらい、親しい友達だった。

ハタからみるに、マリの元ダンナは何の問題もない、というかむしろ気さくで、親切で、いい人だった。ケンカしたとか、酔っぱらってもめ事起こしたとか、そんな話も全然聞かなかった。
友達も職場の人もみんな彼を信頼していたし、マリたちが結婚したときだって、みんなこれから2人で幸せになるんだろうと思っていた。

だから、はじめて彼のDV癖の話を聞いたとき、私は「なんじゃそりゃ、ホントかいな」と思った。






最初、マリをはじめ周りの親しい人たちは、彼がなんで暴力をふるうようになったのか原因をさがして、その原因をとりのぞけば、彼の暴力はやむんじゃないか、みんなでまた仲良くやっていけるんじゃないかと思ったらしい。

でも、そうはならなかった。

マリの元ダンナは仕事で行き詰っていたわけでも、こっそり借金していたわけでも、幼いころに両親が離婚しただとかすさんだ環境で育ったとか、そんなわけでも全然ない。いまでもラブラブな両親と兄弟が元気に近所に住んでいるし、友達もたくさんいる。どっちかというと高学歴な部類だし、ちゃんとした仕事についていて、給料だってけっこういい。

何が原因なのか。

自分が彼を追い詰めているのか。
マリはかなり自分をせめていた。

自分のせいでこうなったのかもしれないと思うとだれにも相談できず、長いこと親友のヘイディにすら黙っていたそうだ。

日に日にひどくなる、暴力。

ある日、マリたちは子供たちを連れて、ダンナがいない間に家を抜け出した。
でも、DVダンナが居場所をつきとめて、追いかけてきた。

マリたちは何度も引っ越した。
隠れるように生活して、その間に必死に離婚を成立させた。




こういう話、実はマリだけではない。

私のフィンランド語学校の友達の、ポーランド人のドロタもそうだ。

ドロタにはフィンランドではよくある事実婚(結婚ではないけれど、生活上のパートナーとして登録できる)していたフィンランド人ダンナがいた。2年ほど一緒に住んで、最近は子犬とかも飼って、2人で仲好く散歩させていたものだった。

それが、先々月くらいに突然、
「別れた。家も出てきた」という。

ドロタのダンナには何度か会ったことがあるのだけれど、ものすごく気さくで話やすく、ものごしやわらかなオジサンという感じの人だった。
ドロタもダンナも両方ともバツいちだ。そのためなのか、お互いちょっと経験値積んだ分余裕があるのよね、という雰囲気のカップルだった。






仲良くしてると思ってたのに。
どうしたの?

「ダンナの暴力がひどくて耐えられなくなったから」と、ドロタ。

自分が直接殴られるとかけられるとかはなかったけれど、家の中のものをめちゃめちゃに壊したり、どなったり、暴れたりがひどかったらしい。言葉の暴力もひどく、特にお酒が入っているときは歯止めがきかないかんじで、こんな生活もう続けられないと思ったんだそう。


ドロタのフィンランド語のコースは今月末で終了する。
ドロタのフィンランドの滞在許可の更新期限もせまっている。

事実婚を根拠に取得していた彼女の滞在許可。
ダンナと別れた状態で、次回はどうやって更新するんだろうか。更新できるんだろうか。
いますぐ仕事が見つかれば就労を根拠にした滞在許可を申請できるだろうけれど、就職活動の進捗はあまりかんばしくないらしい。

「コースが終了したら、就活の返事待ちだけのために家賃を払い続けるのも大変だし、とりあえずポーランドの実家に帰ろうと思う」

と、ドロタ。

身の回りがバタバタしていて、次いつあっておしゃべりできるかわからない。
もう会うこともないかもしれない。

「だから」
といってドロタがカメラを取り出した。

2人でうつした記念写真。

フィンランドの思い出にするのだとドロタは言っていた。




フィンランドったら、男女平等指数めっちゃ高いっていうし、国際NGO・セーブ・ザ・チルドレンの「お母さんにやさしい国ランキング2014」で今年堂々の1位とかにもなってたのに、なんで???と思う方も多いかもしれないけれど、

フィンランドはEU圏では2番目にDVが多い国だという調査結果がある。

フィンランドのNHK的なYleという国営放送のニュースでとりあげられていたもので、それによるとEU圏の女性4万2000人を対象にしたインタビュー方式の調査の結果、フィンランド女性の回答者のうちほぼ半数、47%が過去に暴力(精神的・性的虐待を含む)をふるわれたことがあるという。

ちなみにEU圏の平均は33%で、フィンランドをおさえての1位はデンマークだそう。

  (英語版元記事こちら↓)
  Yle記事 Finland is EU's second most violent country against women (5.3.2014)

  (同じ調査結果についてのBBCの記事はこちら↓)
  BBC記事 Violence against women: One-third of EU women affected - survey (5.3.2014)


このニュースではそこまで書いていないけれど、テレビのほうのニュースではDVの結果ダンナや彼氏に殺されてしまう女性もかなりの数に上るとい言っていた。

EU全体での傾向としては、南欧よりも北欧のほうが圧倒的にDVの発生率が高く、その中でも特にフィンランドが高いらしい。こういう指摘は最近はじめて出てきたものではなく、だいぶ前から問題視されていたそうで、UNHCHR(国連人権高等弁務官事務所)に何度もなんとかするように指摘されていたそうだ。

(超蛇足ですが、よく日本のコマーシャルとかにでてくるUNHCRは国連難民高等弁務官事務所のことで、別のものです。国際法を勉強している法学部生のみなさん、多分テストには出ないし飲み会でこういうネタ披露してもウザがられるだけですが、覚えておいたほうがいいと思います)。


上記の調査がどんな風に行われたのか詳しくはわからないし、上のBBCの記事でも触れているように「DVについてオープンに話せる環境・文化がある」国とない国の結果を一律にならべて比較して正しい調査結果と言えるのかどうかわからないとも思う。

(↑つまり、フィンランドはじめ北欧の女性DV被害報告が多いのは、北欧女性のほうがDVについて他の国の女性よりオープンに話せるから調査結果の%が上がった、という可能性もあるということ。)

それでもフィンランドにDVが存在することは、まぎれもない事実なのだとも思う。

だって、本当に、私の目の前で苦しんでいる人がいるんだから。




このニュース、うちに住んでいるフィンランド男子にも教えてあげた。

「えええ?!ほんとに??超意外。」

となかなか信じられないようだった。

うちのダンナの周りの男子にはそういう話はぜんぜん聞かない。
むしろ、奥さん/彼女にスレーバリー寸前な扱いを受けていて、「あ、あれはちょっとカワイソウネ」と思ってしまうような人さえいる。


「女の人のほうが口が達者だから、いいあらそいになった時に言い返せなくて、おもわずカッとなっちゃうのかもね」

というのが、ダンナのそのときの分析風感想であった。
たしかに、口数少なめ&口べたなフィンランド男子は多いからね。。。




こんなことを考えながら、売り子をしていた今年のシーボウス・パイヴァ。


町中のにぎわってるあたりに出店すればもっと売れたんだろうけれど、ひとけもそんなにない住宅街どまんなかに出店したため、売りあげは3人あわせて50ユーロ弱。





まあ、それでもいいんだ。

友達やご近所のおじさんやおばさんと、あったかい陽だまりで日がなくっちゃべって、お茶のんで、おかし食べて、たわいもないことで笑ったり、のどあめもらったり、たのしい一日だった。

マリの元気な顔も見れたし、ハニカミ系近況報告も聞けたし、いうことなし。


でも、次回8月は売るほうにももっとチカラ入れますけどね。。。


それでは、また!


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