オウルのホッケーチーム優勝の夜

2014年4月29日

物静かじゃないフィンランド人、知り合いじゃない人にまでやたら明るく話しかけるフィンランド人、とつぜん叫ぶフィンランド人。。。 そういう珍しいのが年に一度大量発生するのが、アイスホッケーのプロリーグ「SMリーガ」の決勝戦の日。

オウルにもチームがあって、「Kärpät(カルパット)」という。
カルパットはSMリーガができた1976年以降5回優勝経験があり、それなりに毎年いい成績を残していてオウル人はみな口をそろえて「国内1、2を争う強豪チーム」と言っている。で、その言葉通り今年も優勝争いにしっかり絡んできて、その決勝戦が先週末地元のオウルで開催された。

結果、地元オウルのカルパットの勝ち。すなわちカルパットがSMリーガ優勝。

地元チームが地元で優勝を決めたとあって、街中ではふだんはあんまり見られないフィンランド人の様々な行動バリエーションを観察できて、たいへん面白かった。




夕方9時ごろ。お祭り騒ぎをチラ見すべく、ダンナ兄のうちでいっぱいひっかけてから、オウルの中心部にでかけた。
それにしても、すっかり最近は日が長くなったわね。。

いつもよくいくバーに直行しようと思ったのだけれど、マーケット広場のほうがいつもより騒がしいのでようすを見に行った。マーケット広場は町の中心の海沿いにあって、夏はここに朝市ができる。





なんてこった、気温5度以下だっつうのに、バーのテラス席満席だよ。。
ここしばらくの間、冬だったので週末とはいえ多少日が差してるとはいえこんなにバーのテラス席に人がたくさんいるのを見るのは久しぶりだ。

人がいっぱいいるし明るいのであったかそうに見えるけれど、実際は風もふいてて体感気温はほぼ氷点下。
ホントはブルブルしてた人も中には絶対いたと思うけれど、「こんな日はアイリッシュコーヒーでものむに限るわね」とかいったり実行したりする人もいないようだ。みなさん真夏の気温25度とかで太陽がギラギラ照っているときと全く同じようにビールやらチューハイ的な飲み物などを盛大に摂取なさっている。


カルパット優勝の知らせを聞いて祝杯を上げに来た人、祝杯を挙げてお祭り騒ぎする人を見物しにきた人など、いろんな人がいたようだ。ホッケーの決勝戦の試合が有料放送のチャンネルでしか放送されていなかったので、バーのテレビで観戦したという人もけっこういたようだ。



ワタシらは風がびゅうびゅう吹いていてさすがのフィン人集団でも避けているっぽい広場の角にある空いているバーに行った。



広場のあちこちから
「オウルン カルパット!! (オウルのカルパット!) オウルン カルパット!!!」と叫んでいる声が聞こえてくる。

念のため申し上げたいのだけど、ワタシらがいるのはバーの中だ。
建物の中まで聞こえてくるくらいおっきい声って、どんだけ腹から声でてるんだ。。彼らがもし日本に行きたいと思う日がきたら、ぜひとも甲子園のスタジアムでけっぱっている応援団員に推薦してあげたい。

カルパットカルパット叫んでる人たちが通りがかると、すれちがいの人々やらバーに座っている人々は「やーねー 酔っ払いホッケーフリークめ」なんて白い目を向けることない。逆にこぶしをふりあげて
「カルパット!! カルパット!!!」
とリスポンドしてあげている。



と思ったら、おばちゃんが1人、わざわざバーから出てきて旗ふりまわしてカルパットコールにリスポンド!

ハタをくるくる振り回しながら、おばちゃん自身もフラメンコダンサー風にあしさばき華麗に回転しつつ、前へうしろへ、くるくる、くるくる。もちろん満面の笑みだ。幸せオーラが全身から出ていて、ホッケーがこんなにも人を幸せにするものかと感嘆することこの上ない。

カルパットのトレードマークは冬毛のオコジョ(フィンランド語で、Kärpät)。
オコジョですよ、オコジョ!!!

このチョイス、私は「フィンランド人さすが!!!!わかってるじゃん!!!!」と思い出すたびヒザ連打しちゃうのだけど、ほんと、冬毛のオコジョほどホッケーチームのマークになるにふさわしい生き物はないような気がする。

オコジョと聞いたら、まんが「オコジョさん」とか思い出す人もいるかもしれないわね。。

オコジョったら、ふわふわの毛にくりくりお目めがかわいらしい手乗りサイズのキュートな生き物、色が違うけどリスとかとたいしてかわらない感じでしょ?とか思ってらっしゃる方のためにお伝えしたいのだけれど、本物のオコジョはほんっと凶暴きわまりないのだ。

自己防衛のために噛みついたりはたいたりしてくる野生動物はたくさんいるけれど、オコジョはじめイタチの仲間は文字通り身をひるがえして襲い掛かってくるのだ。人間のほうがずーっと何百倍も大きいのに、やつらそんなことお構いなしですよ!ある意味クマよりコワいですよ!

すばしっこいうえ、スーパー猛烈にアグレッシブ。

オコジョってのは、そういう生き物なのだ。。。

そこらへんのオコジョの素顔に気が付いててオウルのチームの名前に冠した創設者の自然への造詣の深さに、私は激しく感激するわけなのだ。






カルパットのチーム名考案者の自然への造詣の深さはどこらへんから湧いてきたのか妄想しながらバーの外をながめていると、
カルパットのユニフォームを着た人々が次々と、どこからともなく湧いてくるわ湧いてくるわ。。





あっちでも、こっちでも。。
若者や子供だけでなく、オジサンおばさん、おじいさんオバアサンも。



別に何か優勝記念イベントが広場で開催中というわけではないんだけれど、ここはやっぱりオウル市民のこころのよりどころなのだ。オウル市民にとってのお祝いごとがある日はやっぱここに立ち寄らなきゃ気がすまないのだ。

あとで聞いたら、この広場のシンボル、警察官のおじさんの銅像(上の写真中央)とか、市場の屋根によじのぼったりしたよっぱらいもいたそうな。

屋根によじのぼる人を私は目撃しなかったけれど、車の屋根によじ登る人はけっこうあちこちで目撃した。




走行中の車のボンネットにのって叫びながら、通行人に暑苦しくカルパットコールをふりまくお兄さん。
通行人のみなさんもけっこうちゃんと旗ふったり声かけたりガッツポーズしてあげたりこまめにリスポンドしてくれていて、ほっとする。

このお兄さんが通り過ぎるちょっと前には、クラクションならしながら暴走するミニバイク30台くらいの群れがとおりすぎた。
そういうバイクの群れはこの日3回目撃。

白い目して「バカねー」みたいなこと言ってる通行人の方々は見かけず。


でも白い目してるパトカーはけっこう見かけた。
5分に1回くらい見かけた。

この日勤務日だった警察官のみなさん、さぞいそがしかったことだろう。




でも今朝のニュースでは「これだけの人出にもかかわらず、驚くほどモメ事・事件・事故などが少なかった」という警察のコメントが紹介されていた。

イギリスに住んでいた時、家が比較的サッカー場にちかかったこともあり同居人たちに「試合がある日はなるべく出歩かないように」と言われていたことを思い出す。。
自転車にチームのステッカーとかむやみに張ってるとボコボコにされる危険が増すので張るなとかも言われたな。。。そう思うと、フィンランドのホッケーファンは酔っぱらってはしゃぎこそすれ、犯罪ゾーンな悪いことにまで手を出さないのかもしれない。

きのうダンナに聞いたら、小競り合い程度のケンカなどはときどきあるようだけれど、集団暴行じみたことだとか、モノだとか車だとか建物だとかを壊すだとかそういうのは聞いたことないと言っていた。ダンナが平和ちゃんでそういう情報にうといだけなのかもしれないけれど、ともあれ、ダンナ以外の人もおんなじようなことを言っていたので、おそらくあんまりないんだろうなと思う。





次から次に、車の窓に腰かけて身を乗り出したり、ボンネットや屋根に人が乗った車が走ってくる。

で、信号待ちで車が止まると、こぶし振り上げて「カルパット!!カルパット!!」




ナイトクラブが2軒並んでるここ、左側のクラブ内では大学生のパーティー、右側のクラブ内ではカルパットファンの集団がもりあがってなにやらパーティーじみたことをしてたらしく、どちらも入り口に長蛇の列。
こんな寒い中よくみんな耐え忍ぶわねー、これ絶対一時間以上待ちじゃんとか冷やかに見下ろしながら私はヌクヌクとした別のバーの中でビール飲んでたら、

「いま みんなで 飲んでるから! 優勝カップ あるよ! しゃしん とりに おいでよ! いますぐ!!」

と言って、学校のクラスメイトの集団から電話がかかってきた。
なんでも、みんな右側のクラブにいまいるらしい。
で、カルパットの優勝カップがなぜかクラブ内にあって、そこでみんなで記念撮影とかしているらしい。

「ほれ、このようにです」

といってお祭り男のセネガル人サリフがケータイに写真を送ってきた。

ボケボケかげんが熱気と臨場感たっぷりでたいへん味わいぶかく、いますぐ私もその場に駆けつけてそういうボケボケ・アツアツ写真をとりまくりたい!そんでもってついでにガバガバとお酒ものんじゃってカルパットカルパット連呼してみたい!!という衝動に駆られたので、ダンナにその旨つげたら、

「でも入るのに1時間以上かかりそうですよ。待てるんですか。カルパットカルパット連呼したいなら、家に帰ってからサウナでやってください」
と冷静につっこまれた。

ざんねん。。。

というわけで私のにわかカルパットファン化は実現しないまま、この夜は家路についたのだった。




今週はまたオウル市内でなにかと祝勝イベントがあるらしい。ふだんは見られないフィンランド人のむきだしの笑顔やらコーフン状態を見られそうなので、また見物にいくつもりだ。

くくくく。。。



【おまけ】
優勝した日の夜の様子を地元新聞社のカレバが取材したものが、カレバのサイトに写真ギャラリーとしてまとめて出されています。面白い写真いっぱいあるので、お時間あればそちらもご覧ください。

カレバ(Kaleva)
KUVAGALLERIAT
Kärppiä juhlittiin riehakkaasti Oulun keskustassa  →リンクはこちら



にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ
楽しんで読んでいただけたら、クリックしていただけるとうれしいです↑

コメントを投稿

Latest Instagrams

© Kato@Oulu. Design by FCD.