フィンランドのガソリンが『ハイオク・レギュラー』じゃなかった話

2014年1月27日



ガソリン切れのランプがついたので、近所のスタンドに給油に行った。

フィンランドはガソリンがすっごく高い。
今朝はリッターだいたい1.6ユーロ後半から、1.7ユーロくらい。日本円でいうと、リッターだいたい230~240円。

230円!?130円のまちがいじゃないかと思っちゃう人もいるかもしれないけれど、ホントにほんと、230円台なのだ。車ないと生活していけない大国・北海道育ちの私としては、庶民の暮らしに猛烈な支障きたしまくる生活危機レベルの値段にしか見えない。

なのに、少なくとも私の周りではって話だけど、ガソリン高い!という人があんまりいない。北海道だったら10歩歩けば「あそこのスタンドが昨日安かった!」「え!そうなの、私も今のうちにいっとこうかな」という会話が聞こえてくるもんだけれど、フィンランドではそんなことないし、給油後のレシート見てガックリ肩落としてる人もあんまり見かけない。



フィンランドは物価全体が高めなので、ガソリンだけが特に目立って高いと感じる人も少ないのもあるだろうし、何より、ガソリンはこのくらいの値段のものだとみんな思っているんだろう。
ちなみに、うちのダンナもそういう人で、別に高いとも安いとも思ってないようである。

そのダンナ、
「今日はいつもと違うガソリン入れてみる。寒いから」
と、スタンドで言い出した。

いつもより値段が高いガソリンを入れるという。
そっちのガソリンのほうがマイナス何十度とかいう劇寒日がつづくときなんかには、車がよく走る気がするというのだ。

え?なにそれ、いつもレギュラーいれてたのに、今日はハイオク入れるってこと?
レギュラー車にハイオクガソリン入れてもだいじょうぶなんだっけ?
ちょっとちょっと!まだ入れないでってば!いまグーグル先生に聞いてみるから!と私が車内でモゴモゴしてる間に、ダンナさっさと高いほうのガソリンいれてしまった。

「今日初めてじゃないし、だいじょうぶであるよ」



たしかにハイオク車にレギュラーいれちゃダメだと聞いたことはあるけど、その逆はダメだとは聞いたことないな、まあ大丈夫なんだろう。しかしレギュラー車にハイオクを入れても性能ってあがるんだろうか?ダンナに聞いてみた。

「エタノールの割合が少ないガソリンのほうが燃焼率がうんぬんかんぬん・・・・」

え?何?エタノール?ガソリンにエタノールなんて入ってたっけ?
ハイオクがピュア・ガソリンで、レギュラーがエタノールまざったガソリンなんだったっけ?

私は車の運転こそあやしいけれど、ガソリン注ぎのスキルと知識については人並みであると思っていた。だって9年以上も毎週のように注いできたのだ。
そこんとこのプライドもあって、ほんとにその98とやらのガソリンを入れたほうがいいのか、きちんと納得しないと気が済まなくなったわけだ。

それに、カト家の財布はとても小さいのだ。効果もよくわからんもののために、いたずらに財布を痛めるなんて、できるはずもない。ゆるすまじ、むだづかい!

というわけで、フィンランドのガソリン事情についていろいろ聞いてったわけなのだが、そこで判明したのが驚愕の事実。
なんと、フィンランドのガソリンは「ハイオク・レギュラー・ディーゼル」じゃなかったのだ!




フィンランドのガソリンスタンドには、三種類のガソリンがある。
98 E5、95 E10、D
という名前がついている。



Dはディーゼルのこと。
だから、のこりのふたつは当然ハイオクと、レギュラーのことだと思っていた。

しかし、そうじゃなかったのだ。

98 E5は、5%エタノールが混じっているガソリンで、入っているオクタンの量は98です
95 E10は、10%エタノールが混じってるガソリンで、入っているオクタンの量は95です

という意味だったのだ。

ほうほう、で、それって結局ハイオクのこと?レギュラーのことなわけ?とフィンランド人に聞いてみたら、「ハイオクってなに?レギュラーってなに?」と逆に聞き返された。
…返答できなかったので、しらべた。はずかしい。。。それにしても、運転免許の試験にこういう問題なくて、よかった。。

で、調べてわかったこと。

ガソリンの性質を決める、オクタンという値が高いものがハイオク、低い物がレギュラー。
『ハイオク』の方が『オクタン価』が高いので、『ハイオク』と名づけられたらしい。
日本にいたら、明日すぐ使えるトリビアだな、コレ。

そんなら、98がハイオクで、95がレギュラーじゃん!
そうおもったら、ちがったんですよ。

日本のハイオクもレギュラーも、どっちもガソリン100%なんですよ。
フィンランドのは、エタノールが混じってる。

ようするに、日本もフィンランドもどちらもガソリンは3択だけど、日本の「ハイオク・レギュラー」ってものは、フィンランドには存在しなかったということであった。フィンランドにはガソリン100%ってものがないのだ。

毎日見てるものでも、知らないことだらけであることよ。。。




エタノールは植物由来のアルコールでバイオ燃料と言われているらしく、これがまじったガソリンはガスホールとよばれ、日本では「エコなガソリン」として紹介されているらしい。
実際には試験的な程度にしか出回ったことがないらしいけれど。

ちなみに、エタノールがまじっているガソリンでも、全然問題なく車はうごく。

フィンランドの国がこのエタノールが混じったガソリンを出回らせている背景には、国の地球温暖化対策政策がある。ひとことで言うと、国全体の二酸化炭素排出量を減らすためだ。具体的に何をしているかというと、ガソリンに課税している。

フィンランドのこの税金は炭素税といって、ガソリンや軽油、重油などの化石燃料に炭素含有量に応じて課税されている。
ちなみに、この炭素税というものを世界で初めて導入したのはフィンランドだ。導入されたのは1990年、今から24年まえ。今ではヨーロッパの国を中心にたくさんの国に炭素税の仕組みがある。

炭素税&バイオ燃料優遇をしている国のオモワクとしては、

①税金をかけて燃料を高くして、なるべく車に乗りたくなくさせ、車に乗る人や車に乗る距離をへらし、その結果として二酸化炭素排出量をへらす

②二酸化炭素排出をさせるガソリンの割合が高くてエタノール入りの方を高く、ガソリンの割合が少ないを安くして、人々が自発的に二酸化炭素排出量の少ないほうのガソリンをえらぶようにし、その結果として二酸化炭素排出量をへらす

ということのようだ。
とにかく、二酸化炭素をだす量を結果的に減らせればいいのだ。

というわけで、ここらへんのとこが、フィンランドではエタノール入りのガソリンしか出回ってないワケ、フィンランドのガソリンがこんなに高いワケのようだ。




ちなみに、エタノール量の少ない方が車がよくうごくという説についてだけれど、これは所説あって決定的正解はよくわからなかった。

しかし、要点を簡単にまとめると、車種によって差があるようだ。

ベンツだとかBMWだとか、もともと高速でどぴゅーっと走るように作られている爆走系の車なら効果があっても、そうじゃない車はどっちをいれてもあんまり変わらないということのような気がする。

というわけで、カト家の家庭的なホンダには、フィンランドの二酸化炭素排出量の削減と、我が家の財布のなかみの温存のためにも、これからも安い方の95を入れるという判断にいたった。




ちなみにうちのダンナは、ガソリン一滴いれるために、こんだけみっちり説明もとめられて、とっても消耗したもようであった。ソーリイ、ダンナ。

また、今日の記事読んで、そんなにエコにこだわってるならフィンランドでハイブリット車とかもっとはやらせればいいのに、と思った方もいるかもしれない。けど、フィンランドではハイブリット車はぜんぜん人気ない。人気ないどころか、車買うときの選択肢にはいりすらしない。

この話は長くなるので、またこんど。

それでは、また!



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